第五曲 逃げた恋

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「まあ、恋愛もそんなもんや。  勘違いと錯覚の連鎖やねぇ」 “鈴子”さんは ポロポロンとピアノに乗せて呟いた。 「まあなあ、そうでないと  次の恋はないわけだし」 「私なんかバツ2やで」 「結局鈴子も別の男と結婚したし」 「灰になるまで勘違いと錯覚の  連鎖に溺れましょう」 「では、深夜まで飲み倒しますか」 豪快な女性達は繁華街へ去った。 また、静かになった駅前広場。 勘違いと錯覚の連鎖・・・ そうかもしれない・・・。 冷めたコーヒーを一気に飲み干して 鞄を手にした。 とりあえずはこの離婚届けを出して 海にでも行こう。 新しい錯覚シネマを 僕も誰かと再び観る日のために 『バカヤロー!』 と、何度も、海に叫ぼう。             ー 幕 ー   
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