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「まあ、恋愛もそんなもんや。
勘違いと錯覚の連鎖やねぇ」
“鈴子”さんは
ポロポロンとピアノに乗せて呟いた。
「まあなあ、そうでないと
次の恋はないわけだし」
「私なんかバツ2やで」
「結局鈴子も別の男と結婚したし」
「灰になるまで勘違いと錯覚の
連鎖に溺れましょう」
「では、深夜まで飲み倒しますか」
豪快な女性達は繁華街へ去った。
また、静かになった駅前広場。
勘違いと錯覚の連鎖・・・
そうかもしれない・・・。
冷めたコーヒーを一気に飲み干して
鞄を手にした。
とりあえずはこの離婚届けを出して
海にでも行こう。
新しい錯覚シネマを
僕も誰かと再び観る日のために
『バカヤロー!』
と、何度も、海に叫ぼう。
ー 幕 ー
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