第六曲 六甲おろし

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ほんの少しだが、 心臓に“よろしくない兆候”が 現れた65歳。 「今どうこうじゃないけれど  出来るときに出来ることを  しておこうじゃないか」 妻に提案した。 「そうね…私も2つ下とは言え…  いつ何時…解らないものね」 「そうだよ、幸い二人の子供も  自分達の家庭をシッカリと  築いてくれてるし」 「二人だけの暮らしなら  食べても充分ゆけるのですもの」 簡単にことが決まると なんだか、足取りは軽くなるものだ。 延長しようと思っていた 嘱託の仕事を去り…、 絵画展やら他愛のない午後の散歩。 それから別々の趣味の時間と 日々を過ごすようになった。 そして、ある日… (懐かしい神戸、学生時代) ・・・・・振り返りたくなった。
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