第六曲 六甲おろし

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大学最寄り駅を降りると (寂れた?) やはりそんな様子の街。 バブルを迎えていた神戸の 華やかさしか記憶にない僕には、 チェーン店の居酒屋や 何処にでもあるコーヒー店が 並んでいることが驚き…。 いや、驚きと言うのは 自分が年経ったことを 見せつけられた衝撃なのか…、 ついセンチメンタルに酔いながら 街を歩いた。 国道を行くと (お!これは残っていたか…) ゼミ仲間と飲んだバー。 (あの店は…マンションに…) “恋人”と深夜まで 語らった喫茶店は 跡形もなかった。 恋人・毬江(まりえ)とは同級生、 入学式で一目惚れした相手だった。
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