第六曲 六甲おろし

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手紙一枚で終わりにしたくない! 毬江の家に電話をしたが  「お掛けになった番号は   現在使わるておりません」 どこへ、どこへ行った毬江。 急いで神戸へと チケットを握った矢先に 父親が脳梗塞に倒れた。 病状が安定して やっと神戸へいけたのは一ヶ月後。 友人を訪ねて毬江の近況を 確かめると…  「会わないほうが…」 友人は言葉を濁した。 それでも問い正して 毬江のバイトするラーメン屋へ! 暖簾の向こうに毬江が見えた。 入ろうとした時、  「カップルで見せつけられるね」 客の冷やかしに 頬染める毬江の横には若い男、 その店の跡取り息子だった。 生活の苦しさ、心細い気持ちを 影に日向に支えてくれた男だと… 後で友人に聞いた。  
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