第七曲 ムーン・リバー

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第七曲 ムーン・リバー

時計が2時を指していた。 カフェオーレとチーズケーキが 運ばれてきて…… 読む気もないのに ……文庫本を開いた。 平日の午後、駅のコンコースは 学生とサラリーマンが ちらりほらり、それから 年金世代の人、でも (主婦の買い物客が  目立つか…いや…) 男は首を振った。 (俺の目が、それくらいの女性を  追ってるからなんだ…) コンコース中央にある ピアノに集まる四十代くらいの 御婦人方を見ながら (そうだ…もうとっくに  結婚して幸せに暮らしてる…  そうに決まってるさ…)
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