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順調にいくかと
思われた再婚は、
「他のママはいらない」
娘の一言で…断念せざるを
……得なかった。
どんなに早穂子を欲しても
どんなに早穂子を愛しても
娘を泣かせる…
いらぬ辛抱をさせるわけには…。
「待ってくれとは言えない」
そう早穂子に言ったあと、
「いや、五年しての今日…
もしも一緒になれる日が
くるなら、いつもの駅で
いつもの時間に…」
くだらぬ未練を口にした。
早穂子は…
早穂子は、こんなときにも
ただ微笑んで、頷いて
僕を見送ってくれたのだ。
それからしばらくして…
早穂子は仕事も住居も整理して
……去っていった。
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