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第九曲 主よ、人の望みの喜びよ
「それじゃあ、そろそろ…
今日は…本当に…
ありがとうございました。
行ってまいります」
“夫”になった彼のその言葉に
半歩後ろで…深く…
頭を下げる娘に…
「気をつけて…」
としか言えなかったのは
私の夫。
披露宴客に挨拶を
しているうちはまだ
笑顔もあったけれど
「行こうか…」
駅へ向かう地下街を
歩き始めると…
無口になった夫。
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