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第二曲 夢 の 楽 土
急がなきゃならないのに
この午後の乗り換えで
男は足を停めてしまうことが。
『 どうぞ御自由に 』
と、標示された立札にピアノ。
老若男女がポロンポロン。
(呑気なもんだ・・・)
営業周りで休む暇なしの男は
舌打ちしたりする日も。
けれど、ある午後、
女子高校生が弾くピアノを伴奏に
その友達が歌う“流浪の民”に
心惹かれた。
男だけではない。他の通行人の
100パーセントと云える人々が
彼女の声に立ち止まっていた。
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