第二曲  夢 の 楽 土

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(え?そんな風には・・・) 歌い終わるといつも朗らかに 声をかけてくれる人々と 笑顔で会釈する彼女から そのような労苦は 微塵も見えないことに男は驚いた。  「『財産の一円もなしに死んだ    両親の代わりに、高校まで    出してくれたことに感謝』   って言ってたけど・・・」  「私だったら、恨むなあ・・・。   だって、成績だってスゴく   いいのに、進学も諦めて」  「『お金が出来たら夜間の    大学を受ける』って」    話の途中で・・・ 男と同じように 聞き耳を立てていた女が 男より先に泣き出した フレーズは  🎵 ・・・慣れし故郷を放たれて    夢の楽土を求めたり  🎵
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