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(え?そんな風には・・・)
歌い終わるといつも朗らかに
声をかけてくれる人々と
笑顔で会釈する彼女から
そのような労苦は
微塵も見えないことに男は驚いた。
「『財産の一円もなしに死んだ
両親の代わりに、高校まで
出してくれたことに感謝』
って言ってたけど・・・」
「私だったら、恨むなあ・・・。
だって、成績だってスゴく
いいのに、進学も諦めて」
「『お金が出来たら夜間の
大学を受ける』って」
話の途中で・・・
男と同じように
聞き耳を立てていた女が
男より先に泣き出した
フレーズは
🎵 ・・・慣れし故郷を放たれて
夢の楽土を求めたり 🎵
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