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音が軋(キシ)む。ギシシ...って。痛くて痛くて骨が折れるようだ。指先の感覚がもう無い。痺れているのかな。変にカクカクってしか手が動かない。左手を掴まれているから利き手の手で振りほどこうとするけど全然対抗出来ない。何でこんなバカ力なの!?もう!痛いって言ってんじゃん!痛いのは嫌い! 「どうせ握り潰すなら首を掴みなさいよ!」 パシン! また頬を叩いちゃった。ごめん。ごめんなさい。バカなのは知ってる今言った事も今さっきの行動も。分かってるだから謝るごめんごめんごめんなさい。 あぁ、お腹空いた。こんな波乱が来るとは思ってもいなかった。 「翠、やり過ぎだ。ほら手離してやりなさい」 誰?この人。も。黒い服サングラス黒いスーツ。はっ!!ヤバイ人!ヤクザだ!あっ!!ならこの人もヤクザやヤバイ人!だからヤバイんだ。いやそういうダジャレみたいな事言ってる場合じゃなくて... 「すみません。翠が出過ぎた真似を」 彗、君の指を1本ぼくの腕から取ってくれてる。そうかこんなバカ力には男の人じゃないと取れないのか。...だんだん痛くなくなってこなくジンジンとした腕の痛みが走る。全部外れたぼくの腕は真っ赤に腫れて彼の指の跡が付いている。
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