52人が本棚に入れています
本棚に追加
やっと櫂とお母ちゃんが大阪に帰ってきた。
拓海と美音だけが先に福島から帰って来てから1ヶ月、ようやく二人が我が家に戻って来たわ。
「お帰りなさい」
久しぶりに見る櫂とお母ちゃん、良かった二人とも元気そう。
「ああ、ただいま。変わりはないか?」
「みんな元気よ」
毎晩電話でお話してたけどね、私も子供達もみんな元気だよ。
「お母ちゃんもお疲れ様」
「はい、ただいま」
急に1ヶ月も滞在が延びちゃったからね、自分の家だけど色々予定外だったろうし。私は櫂がお母ちゃんと一緒だったからすごく安心していたけど。
なんせ櫂は外食が嫌い。喜んで食べるのは私とお母ちゃんの作った物だけだもの、あとファムさんのベトナム料理か。
プロ級の料理の腕があるのに、自分の為には目玉焼きひとつ作らない人がうちの櫂だ。
「着替えてくる。洸、ちょっと」
「はい」
呼ばれて私たちの部屋に一緒に入ると、櫂はいきなり私を引き寄せぎゅうっと抱きしめた。
「櫂?」
「あ〜会いたかった」
チビちゃんごと抱きしめてくれてるね。一応気を使ってるのか、お腹辺りは絞めない様にしてくれている。
「お疲れ様でした」
そんな櫂の背中をポンポンと叩く、櫂の温もりも匂いも本当に幸せだ。
いつまで経っても櫂の一番は私で、私の一番も櫂だからね。
最初のコメントを投稿しよう!