1 愛しき日々 ー洸ー

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   程なくして凪紗と真也が帰宅した。  凪紗はリビングに櫂が居るのを見て、大喜びで抱きついて行く。 「お父ちゃん、お帰りなさい!」 「ああ、ただいま」  膝に抱き上げると凪紗は嬉しそうにぴったりくっ付いている。出遅れた真也がランドセルを置いてからお父ちゃんによじ登って行く。 「真也、狭い〜降りて!」 「いや」  珍しいな、滅多にお姉ちゃんに逆らわない真也が。凪紗が独り占めしてたお父ちゃんのお膝に割り込む。 「あらあら、お父ちゃんが大変でしょ」 「構わん」  お母ちゃんの声にも子供達は退かない。当の櫂は大きな腕を拡げて愛おしそうに子供達を抱き締めていた。  暫く会って無かったからね、本当に子供達はお父ちゃんが大好きだ。
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