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駅から市民ホールまでは、さほど遠くない。
住宅やスーパーマーケットが混在する町の中に、こぢんまりとした佇まいの市民ホールが姿を現す。
以前と変わらず適度に古い。
知らない間に花壇が整備されていた。
小ぶりな花が色別に植っている。名前は分からない。花は好きじゃないし、興味はない。
胸が痛くなって、目を背けた。
「春花ちゃん!? すっかり大人になって……」
7年ぶりに会うユカ先生は、私がこの町を出た時の印象と変わらず若々しかった。
長い髪をアップでお団子にして。
9分丈のサイドライン入りの細身のジャージに、大きめのTシャツ。
身体のラインも相変わらずキレイだ。
私が小学生の頃には既に先生だったから……今は一体いくつなんだろう。
今日のイベントは、コロナ禍でダンス発表の場がなくなってしまった子どもたちのために、ユカ先生が企画したもの。
コンテストや、ショッピングモールのイベントなどで練習の成果を発表するのが毎年の流れだったが、今年はそういった行事が全て中止になってしまったのだ。
今回はダンスクラブ単独の小さな発表会だが、保護者への感謝も込めてダンスを披露するそうだ。OGも参加する。
私は、イベントの特別ゲストなんだとか。
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