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振り付けは事前に覚えている。
すぐにリハーサルに入った。
大体のタイミングやフォーメーションを確認する。
「……相変わらずダイナミックね」
ユカ先生は微笑んだ。
一緒に踊ったOGたちから好奇の視線を感じる。
そんな目で見ないで。
「子どもたち、何時に集まるんですか?」
その視線を受ける自信がなくて、私は窓に目を向ける理由を探す。
早く終わらせて帰りたい。それだけだった。
「そろそろね」
ユカ先生たちは、子どもを出迎えに行く。
子どもたちも、ステージで簡単なリハーサルを行うらしい。
私は特別ゲストなので、子どもたちには会わないようにと注意された。
「そこのモニターで、子どもたちのリハ見れるわよ」
ユカ先生はそう教えてくれたけど、見るつもりはなかった。
控室に一人、取り残される。
外が賑やかになってきた。
チラリと窓に目をやると、ダンス用の衣装を身につけた女の子たちが続々と会場へ入っていく。
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