ステージ

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 どうしようもなく、羨ましかった。  あの頃。  私、ダンスしてるんだ。  そう思うだけで幸せだった。    下手くそだって分かってた。  不格好だって分かってた。  それでも。  スターの真似をして身体を動かすだけで、心の底から熱くなった。  あの頃。  どうしたって手の届かない星を追いかけることが、全然苦しくなかった。  あの子たちが、どうしようもなく羨ましい。  戻りたい。  花がひらく前に。
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