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「貴子さんにあんな相手がいたとは知りませんでした」
「ずっと前からだ。ヒモのような男らしい。俺と結婚しても恋人として、そいつと関係は続けるだろうな」
「そうでしょうね」
廊下を歩きながら。納多は険しい顔をした。
役員室に戻ると、納多はスケジュール帳を開いた。
「別荘はどうします?貴子さんは私のほうでうまく別荘へ行けないようにしておきますから、伶弥さんはゆっくり休まれたらどうですか?」
俺を気遣ってか、納多は休むよう提案してきた。
貴子がこないなら、たまには別荘で静かに過ごすのもいいかもしれない。
「悪いな。納多。それじゃあ、休みを入れておいてくれ」
「わかりました」
納多は一礼し、どこかに行ってしまった。
これで別荘には貴子はこれないだろう。
納多にしてみれば、俺とヒモのような男を二股にかけた貴子が許せないのだろうが、正直、他に男がいてくれてよかった。
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