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第12話 電話
「娘よ……」
お父さんとお母さんが呆れていた。
「またなの?」
「何人目だ」
私の親切心に両親の反応はこれだよ?
なぜ、捨て猫や捨て犬を連れてきた困った子供を見るような目で見ているのだろうか―――
「ちがうっっっ!!!拾ってない!今回は拾ってないよ。純粋にお客さんを案内してきただけ!」
「朝日奈亜弦です。お世話になります」
金髪にピアスなのに礼儀正しくて、ちょっと驚いた。
亜弦はどこか品がいいっていうか、お坊ちゃんみたいなかんじがある。
「朝日奈さんの弟なんだって」
「まあまあ!ようこそ」
「なるほど。大学生かな?」
「いえ、無職です」
両親は無職と聞いて、真剣な顔をして頷いた。
まるで『全て心得ました』と言わんばかりに―――
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