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亜弦ってば、意外と見る目がある。
悪い人じゃないね!きっと!
木の階段を昇り二階へと案内した。
「建物もいいけど、二階の部屋から見える海はいいよー」
「兄さんもここに?」
「うん。同じ部屋。お風呂は夕方四時から朝の八時まで。温泉だから疲れがとれるから、ぜひ入ってみて。お湯はしょっぱいから、あんまり飲んじゃだめだよ」
「あの兄さんが温泉ね……」
私の説明より、朝日奈さんの事の方が気になるようだった。
ちゃんときいて!?
私の話も!
「朝日奈さんは温泉、すごく気に入ってたよ」
温泉プッシュを続けている私を無視して、亜弦は言った。
「兄さんはここで、いつも何してた?」
「猫と遊んだり、鶏小屋掃除してくれたり?後はお風呂掃除も……」
「はあ!?兄さんに何やらせてんだよ!?」
亜弦がどうして怒っているのか、わからないけど、一応弁明はした。
「朝日奈さんが自分からやるっていうから」
「兄さんが?」
「うん」
信じられないという顔で亜弦は私を見ていた。
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