第13話 兄弟

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「汚いわね」 「星名(せな)がおかしいことを言うからだろっ!!まさか、お前っ……兄さんのこと何も知らないとか?」 「会社員なんでしょ?」 スーツ着てたし。 あとは猫好きで不器用で旅人になりたいのよね。 知ってるわよ。ちゃんと。 「そんな得意げな顔で……会社員って言い切られても……。いやまあ、間違っていないか……」 亜弦は参ったな……と小さく呟いた。 「今は言えないな。正直、兄さんが何を考えているか、わからないし」 「どうして?」 「さあな。まあ、一般家庭よりは金持ちだと思う」 「やっぱりね!朝日奈さんもそうだけど、亜弦もお坊ちゃんっぽいもん」 「この歳でお坊ちゃん呼ばわりするな!」 「あー、ごめん。ごはんのおかわりはいる?」 「ああ」 食事は気に入ってくれたみたいで、亜弦は残さず綺麗に食べ終えた。
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