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02.2011年3月11日
震災を想い出すのは、勇気がいる。
あれから何度も地震を経験したけど、311はレベルが違った。
勿論、小さかった僕の視点では、棚も家も車も全てが大きく見えていたから、
それを破壊する地震や津波はビルより大きな鬼みたいな存在だった。
大地が揺れると数秒後の未来さえ怖くなる。
僕が立っている場所は本当に安全なのか?
天井が崩れ落ちるんじゃないのか?
もっと激しい揺れが起こるんじゃないのか?
そして、
目の前の人が消えてしまうんじゃないのか……と。
十年経った今でも、大きな地震が来るんだけど、まだ東日本大震災の余震らしい。
この十年で、僕達の生活は大きく変わった。
元居た街に戻る人達も居れば、県外に移り住んだ人達も居る。
お母さんは、僕が生まれた家ではなく、仮設住宅暮らしを経て、高台移転を望んだ。
僕は、なるべく遠くに行きたかったけど。
お母さんは、遠くに離れられなかったんだと想う。
辛い想い出しかなくても、想い出はそこにしか、ないんだから。
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