02.2011年3月11日

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大人達は言った。想定外だった、と。 あんな大きな津波が来るとは想わなかったと。 消防のサイレンの音と防災無線の音声が混ざり合い、聞き取れないけど、何か大変なことが起きていると想った。 「津波が来る! 早く逃げろ!」と血相を変えて伝えに来た人が居た。 多分、園の近所の人じゃないかな。 逃げろと言われても、バスもない僕達は困ってしまった。 先生の車に分乗しようとしたけど、親が迎えに来たら困るからと留まることになった。 園に残った僕達は、まっ黒になった靴下のまま二階に上った。 雪が降る外と違い、寒さを凌げて、ほっとした。 港までは数百メートル。 窓から見える港は青くはなかったけど、いつもと変わらないと想った。
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