02.2011年3月11日

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どのくらい経ったんだろうか? 窓の向こう――港の方――を見ていた先生が震え始めた。 多分、僕達が一緒に居なかったら、大声で泣き叫んでいたんじゃないかな。 みほ先生は優しかったけど、泣き虫だったから。 でも、口を固く結んで、震えていたんだ。 雪が降り続く中、僕達は幼稚園の屋根に上った。 屋上ではなく、屋根の上だ。 使うのは階段ではなく、点検用タラップ。 とにかく1cmでも高く避難する必要があったんだ。 屋根の上から見た港は、見たことがない灰色の壁になっていた。
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