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僕みたいにバス通園ではない児童が十人と、数名の先生達。
足の裏が冷たいとか、高い所が怖いとか言ってられなかった。
ただただ感情を涙で出すしかなかった。
怖かった。
遠すぎるサイレンの音は、ゴーーーという不気味な波の音に消されていく。
目の前を流れていく、まっ黒な泥の海。
車も家も電柱も木も全てを飲み込み、巻き込んでいた。
人も流れていた。助けて、助けてと手を伸ばしながら。
だけど、僕達の手は全く届かない。
助けを求める声だけが一方的に届き、更に怖くなって、僕達は大きな声で泣き返した。
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