彼女と俺の可愛い甘え

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 キスをし終えたところで、夏実は俺を真っ直ぐに見つめながらそんな事を言った。  「10年前に湊人が酔っ払った日の事、おばちゃんから話を聞いたの。今日。」  「お袋から話?」  「うん。亮輔さんから『湊人がお酒を飲んだ』って連絡もらった時にね、そういえばこの前おばちゃんが『湊人が次にお酒飲んで酔っ払ったら私受け止められるかしらー?』とか、変わった事を私に言ったんだよな〜って思い出したの。」  (どういう意味だ?それ??)  「お袋が受け止める」の意味が分からず首を傾げていると、夏実はその言葉の意味をゆっくり教えてくれた。  「おばちゃんがその言葉を私に言ったのが、ここに湊人が住み始めた時だったかなぁ。」  「割と最近じゃねぇか。」  「うん。湊人にとっては初めての一人暮らしになるし、おばちゃんもおばちゃんで心配したんだと思うよ。  湊人はうちのお父さんみたいにしょっちゅう飲んでベロベロに酔っ払って毎回迷惑かけるような事はしないって、私もおばちゃんも信じてるんだけど、昨夜みたいな事がいつ起こるか分からないってハラハラしてたんだと思う。」
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