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「っ!」
即座に顔を赤くした滉の表情が面白くてこっちも自然と口角が上がる。
馬鹿力の高校生とはいえ、中身はまだまだガキだ。心理作戦とも云えない下手くそな俺の煽りにまんまと引っかかってくれた。
「やっぱり、最初に夏実を助けた時点で惚れたんだなお前は。」
少女漫画さながらの展開なんてこの世に存在するのか疑わしいと思っていたが、それをキッカケに夏実と連絡を取り合おうとするガキの心理状況くらいは理解出来る。
俺の中学時代にもスマホなんて便利なものがあったなら、コイツと全く同じ方法を取ったと思うから。
……まして、助けた女に一目惚れしたのなら。
「それはなつこが危うかったからだよ。男に免疫ない癖にカラダは出るとこ出てるし、運動神経あってプレー中は機敏に動く癖に試合後はポヤーッとしているし!
あんなんじゃ似たような事その後も起きそうで……本当に危うかったんだ!!」
赤い顔を手首で隠そうとしながら喋る滉の態度は、睨みでも苦虫でもなんでもない年相応の様子が見られたから、俺の下手くそ心理作戦や間違いパーソナルスペースは役に立ったのだろう。
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