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「本当だよ!!だから余計におっさんに腹立つんだ!!だってお前……なんも努力してねぇのになつこから無条件に好かれててさ!
なつこの純粋な片想いに乗っかって、信頼ばっかり集めて周りから固めて自分を正当化して……自分からはなつこに何もアクション取らなくて、ただただなつこからの行動を待っててさ。少女漫画の主人公にでもなったつもりかよ!!愛されキャラとかムカつくんだよ!!
俺はそういう卑怯な男がこの世で一番大嫌いなんだ!!」
今まで俺に向けた事のない表情と、張り上げる大声。
「卑怯」「この世で一番大嫌い」と罵倒する台詞。
……それは無言の睨みや苦虫を噛み潰したような表情を常にかけられるよりも清々く、心地良さすら感じた。
「卑怯か……。気持ちの良い表現をするよね。」
俺は笑みを浮かべて、まさに今抱いている感情をそのまま述べると
「マゾかよ、気色悪い。」
滉はそう言って両眉をグニャッと曲げたので益々可笑しくなってしまった。
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