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「茉莉も言ったけど、自分の好きが叶わない相手を想い続けるのは苦しいし、負けてる自分は勝ってる相手に一生敵わないのも同じように苦しい。俺は女じゃないけど同じ経験をしたから物凄くよく分かるんだ。だから尚更、無条件でなつこに愛されるおっさんがムカつくし卑怯だと思うし……。」
「……いつから好きかと質問しても夏実が告白した時点だとしか返答しない俺が大嫌いだと…………滉はそう言いたいんだな。」
滉の強い眼差しを自分の目で全て受け止めながら、俺は目の前の男の気持ちを簡潔にまとめた。
「そうだよ……その通りだ。Hもそうだし、今ここで一緒に暮らす準備もそう。
初対面の時はうちで家電買って欲しいから下手に出てみたけど、やっぱり我慢出来なかった。おっさんみたいな男、一番大嫌いだから。」
「確かに今回の事も『一緒に暮らしたい』と提案したのは俺が先だけど、それより前から夏実は本気で『お嫁さんになりたい』って強く望んでいたからそれに答えたまでの行動だ。」
「ほら見ろ!今ですらおっさんは無条件で好かれてるんじゃねぇか!男なら好きな女を喜ばす努力をしろよ!努力を!!」
「だが、俺は夏実に何の感情も抱く事なく今までやってきた訳じゃない。」
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