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……と、そこでようやく部屋の中にインターホンの音が鳴り響いた。
「茉莉のヤツ、ようやく戻ってきたのか。」
エントランスに繋がるドアホンのモニターに茉莉の顔が映るのを確認し
「腹減ったから早く戻って来い。」
と一言呼びかける。
「……おっさんの話はキモいかったけど、中2ってなんなんだろうなって思った。
偶然だと思いたいけど、おっさんも俺も中2でなつこを好きになってんじゃん。」
またシンと静まり返ったリビングの中、ドアホン操作をしている俺に向かって滉はポツリとそう言った。
「本当だな、なんなんだろうな中2って。」
不思議と俺も滉の顔に目線を戻して笑う。
「おっさんの方が俺よりなつこに片想いしてた時期が長いのは認めるしかないけどさぁ、俺だってなつこの事それなりに知ってるんだからな!直接的な会話しかしてないおっさんよりも、スマホのやり取り続けてた俺となつこの方が深く分かり合えてる事だってあるんだから!」
俺の目に映る滉は、少女漫画に良くある「敵わないライバルに向かって捨て台詞を吐く当て馬キャラ」みたいな表情をしているのだが
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