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写真を撮ることでリアルを先生にすることに慣れて来た私は、やはりここでも問題に直面する。
お手本が無いと、描けない問題は何も解決していなかった。
しかも、写真をお手本にすることによって、リアル寄りに傾きつつあった。
確かに私は、ピカソに憧れた。
だが、描きたいのは、絵画じゃない。
もっと大衆向けのイラストとか漫画とか、そういうのが描きたい。
今にして思えば、デッサンは、完全に回り道だった。
リアルさや画力を追求する人ならデッサンは必須だが、ゆるいキャラクターとか漫画やアニメのようなキャラクターが描きたいというなら、模写をやった方が良いし、デザイン方面の勉強をするべきだろう。
が、私は、巷の腐女子がウフフな妄想を楽しむ傍らで、レオナルド・ダ・ヴィンチにムフフになっていたのである。
天才の色男に美少年の弟子(しかもやんちゃ)・・・くっ!
こんなシチュエーションにお年頃の腐れ思考が反応しないはずがない。
なんて罠を仕掛けてくるんだ!魅惑的過ぎるだろう。
レオ様の薄い本を描きたい!
だが、当時の私に自在にキャラを動かせる腕はないし、漫画なんて高望みも良いところだ。
しかして私の純情な絵描き魂は、禁断の果実によって少々穢れながらも方向性が定まりつつあるのであった。
![b28cbcf4-371e-469c-963b-e72f7bdd6c52](https://img.estar.jp/public/user_upload/b28cbcf4-371e-469c-963b-e72f7bdd6c52.jpg?width=800&format=jpg)
![cdc4018d-56ba-4fab-bdd5-da808a3cca80](https://img.estar.jp/public/user_upload/cdc4018d-56ba-4fab-bdd5-da808a3cca80.jpg?width=800&format=jpg)
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