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聖都を脱するためにどうするか、大城門も近くで思案していたレベッカが一時の休息をとっていた。
「レベッカ様、うちのサンドイッチはどうだい? たまにはフランクな物も恋しいだろう」
「やあやあレベッカ様、あんたのおかげでうちは大儲けだよ。次の予選も期待しているよ」
「おやレベッカ様、今日は珍しくお一人なのですね。どうです、うちのパプで一杯」
聖都の中央大通りを歩くだけで、多くの住人に声をかけられる。数ヶ月前、マグライトとの大立ち回りから始まり、大番狂わせの予選突破と、今となっては聖都においてレベッカのことを知らぬものはいないほどの有名人になっていた。
地方出身の貴族令嬢は、一般市民のアイドル的な立ち位置となり、悪役令嬢として故郷で過ごしていたレベッカも、今ではすっかり丸くなっていた。
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