28人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・・・侮っていた。そうだ、私はお前たちを侮っていた。不測の事態も考慮した上で、それでいて侮っていた。だが、それが間違いだったと気付いたよ」
「だからなんだというの。首でもくれるのかしら」
「いや、斬首は下人の処刑法だ。私の国ではな。お前たちは強い。強かった。それは認めよう。このファブニールは私が調教した竜の中でも一軍ではあったが、役不足だったようだ」
ホーリーホックが悔しさから唇を噛む。
憤りを向ける相手は、セルではない。この戦いで、最大の戦果を挙げたのはレベッカとマグライトであり、今のセルにできることは義眼での魔力感知ほどしかない。
小コアから取り込んだマナも残り少ない。その彼女が、明らかな格上である魔女に対して構える剣には、敵意はあっても殺意はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!