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「だが、お前では私は止められない。時間稼ぎの駒にはならないよ」
「・・・・・・お見通しか。けど、それで引き下がる王立聖家はいないわ」
「お前の首では割りに合わない。だから、――」
ホーリーホックのペンダントが黒く輝きだす。それに反応して、活動を停止していたファブニールが再び咆哮した。
空気の振動は、渓谷内に響き渡る。耳を塞ぎたくなるほどの絶叫が人の身体を強く叩く。
音の壁に押しつぶされそうになるセルの後ろから、――白いマントの男が飛び出した。
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