36.閃光乙女は空を割く

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 周囲に吹き荒れる轟音。衝撃。熱風。  強制脱皮を行おうとしたファブニールの胴体を貫通する。脱皮を完遂する直前に形状に損害を受けたことで強制終了し、痛みに身体を揺らして咆哮する。 「この魔力・・・・・・リリィの!?」  セルの左眼に見えたのは、今のこの場であるはずがない一条の光。だが、この上ない最大級の援護射撃だった。  刹那、――空中に描かれた矢の軌道。数百にも及ぶ魔力の結晶が、ファブニールに降り注いだ。
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