36.閃光乙女は空を割く

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「・・・・・・あぶない。ギリギリじゃない」  ファブニールに致命傷を与えたが反動で動けなくなっていたレベッカとマグライトを抱えてセルが逃げる。背後では、リリィにより放たれた矢の雨により邪竜を磔にしていた。 「――どうやら、間に合ったようだな」  低い声が、轟音の中で静かに通った。歩くたびに揺れる剣の鞘が鎧に触れる。周囲に吹き荒れる暴風に黒い外套が揺れる。 「あ、あなたは――」 「ご苦労だった、シシカーダの娘。ここは、私が預かろう」
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