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「お前たちも見ておけ。いつだって私がいるわけではない。私だって、いつ何時でも、竜に勝てるわけではない。世代の移り変わりは残酷だ。だからこそ、その眼でよく見ておくことだ」
エイブラハムに促され、崩れ落ちた石橋の上に、――王立聖家1位・ナターシャ=マクガフィン、騎士教団1位・ジェノム=フェルト=ペンドラゴン、騎士教団3位・ジャンヌ=ジェンヌ=マルタ、拝水教団の神憑り・アユーニャ=D=フォースが立っていた。
「父様、新しい剣です」
「よい。これだけの長さがあれば十分だ。この規模なら、祝福のない剣は木の枝と変わらん」
エイブラハムは娘が弟から受け取った剣を突っ返し、中程から折れた剣の柄を力強く握る。
「わずかにマナが漏れているな。先程の大技でマナ吸いが緩んだか。余波まではカバーしきれん。各自、自分の身は自分で対処しろ」
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