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【豆柴ラムネさんリクエスト⑭】迷子の竜は甘えたい
爽やかな風が吹き抜ける草原に、巨大な影が幾つも通り過ぎていく。
頭上を見ればドラゴンが数体、高い空を飛んでいく所だった。赤や黒、青といった体色のドラゴンは体の大きさや色合いからいってもまだ若い。丁度やんちゃ盛りだろうか。
平原の向こうには森がある。俺の目的地はその先にある町だ。急ぐ訳でもないのんびりとした旅路である。
ふと見ると、俺の上を旋回する影がある。見上げれば白く、僅かに水色を帯びたドラゴンが一体そこにはいた。目つきの悪いそいつは俺を一瞥する。
「ヒューイ! そこの森で一泊な!」
大声で伝えれば、ドラゴンは承知したのか飛び立っていく。それを見送り、俺はまたのんびりと森へと向かった。
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