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2XXX年。人類の大半はゾンビになったと推測される。その中でも苛烈な状況にあるのがここ、日本だ。
ゾンビウイルスが人類に蔓延し始めてから数ヶ月で、何処の国も自国の事で一杯になり日本は取り残された。渡航の拒否で入る事も出来ないが出る事もできず、輸入も当然のようにストップして食糧危機に直面した。
そして限られた島国の中で人のゾンビ化は進行し続け、あっという間に街はゾンビの巣窟と化した。
そんな中、この状況をいち早く予見して人のゾンビ化が起こる数年前から備えていた研究施設があった。
【宮野研究所】
不老不死の薬の研究を行っていたプロジェクト『エリクサ』に深く携わった研究員の一人、宮野博士がこの事態を予見して作った研究所であり、組織だった。
彼はLEDを使った屋内水耕栽培設備を完備し、人工ミートの開発にも積極的に取り組んだ。そして裏のツテを使ってショットガンなどの武器を備蓄し、手榴弾を自作し、更には空気振動による破壊装置まで施設内に作った。
こんな酔狂な場所だ、当然人もよりつかない。ここに身を置いていたのは宮野博士の他は共同研究者だった博士と、宮野博士の息子だけだった。
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