46人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は混み合うのを避けるために、終園1時間前に心亜への土産を買って、のんびりと出口へと向かった。気づけば詩織は少し遅れて、数ミリほどの瑛太の足跡を眺めて歩いていた。
――終わっちゃう。
足が止まり、街灯に照らされる瑛太の背中と、そこへ続く足跡を見つめる。
――なにこれ。胸が苦しい。
「大丈夫?」
「うん。少し疲れただけ」
立ち止まった詩織に気付いた瑛太が戻ってきた。瑛太は詩織の腕を取ると、その手をそっと自分のポケットへ入れた。
互いの気持ちを推し量るように無言で駐車場まで着くと、そのまま車に乗ってシーランドを後にした。
最初のコメントを投稿しよう!