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瑛太はケイタイの画面をスライドさせた。手術後に気が付いた自分と女の子の写真を改めて見ていた。背景からして同じ場所で撮ったとしか思えない写真。そこに写っている女の子は誰なのか。どうして撮ったのか。そう思っていた女の子が目の前に現れた。
踊り場で振り返ると、女の子も振り返った。やっぱり自分を知っているのか? 瑛太はケイタイの写真と、その女の子を見比べた。
――やっぱり可愛い。
すると女の子が瑛太に声をかけた。
「あ、あの!」
詩織は勇気を振り絞って瑛太に声をかけた。思った以上に大きな声が出たが気にはしない。
――どうせ終わった恋なら。これで終わってしまうなら。
「私と1ヶ月だけ、お付き合いしてもらえませんか!」
〈恋のはじまりは終わりから〉
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