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「付き合ってみれば良かったのに。見た目は悪くないんだし」
心亜がバックハグをしながら詩織に囁いた。
「意味わかんない。もうターゲット変えたんでしょ。関係ないよ」
詩織はハグを剥がしながら、興味のないフリをした。
男が来なくなって5日目の放課後。何やら校門の方が騒がしかった。詩織と心亜は、まさかと顔を見合わせた。校門を出ると目の前の車道の向かい側に車が止まっていた。その車から降りた男が、こちらに向かって手を振った。それは紛れもない、あの大学生風の男だった。手を振る男に、心亜が腕を振り返した。
「ちょっと、やめてよ!」
慌てて止めさせようとした詩織の腕に組み付いた心亜は「いいから、いいから」と、そのまま車に向かって詩織を引っ張っていった。
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