その愛、育ててますか?──永遠の愛

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 大きなキャリーバックを引く俺に続いて、彼女も店を出る。 「たっくん、見て!」  彼女が見上げた先には、飛行機雲が遥か遠くの空へと長く続いていた。 「あの雲みたいに、桔梗も真っ直ぐに進んでいくんだぞ。夢から逃げんなよ」 「⋯⋯うん」  彼女は心を決めたような表情で空を見つめていた。  きっと、桔梗なら大丈夫。  人の笑顔を自然と花開かせ、誰かの心に寄り添える人間になれると、俺は信じている。 「やっぱりたっくんの所、行きたかったな」 「また今度、遊びに来ればいいじゃん」 「遊びに行くんじゃなくてさ⋯⋯」  桔梗のそのときの、あまりにも真っ直ぐな瞳に、俺は言葉を失う。 「うんん⋯⋯なんでもない」 「ふふっ、なんだよ」 「本当に鈍感」 「なんだとー!」  ふざけて肩を組むと、彼女は、やめてよ~!、と恥ずかしがりながらも、晴れ晴れとした今日の澄み渡った空の様ないい笑顔を見せた。
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