その愛、育ててますか？

その愛、育ててますか？──正直

　もしかしたら、桔梗の中にはすでに心に決めた夢があって、俺にその話を聞いてもらおうと今日誘ったんじゃないのか。

 ｢桔梗から見て、仕事をしてる俺って、どんな印象を受けるかな｣
 ｢う～ん。特殊な仕事だし、苦労が多いようなイメージ。たっくんは苦労してるから大変だって、みんながよく言ってるし｣
「じゃあ、桔梗の目から見た俺はどう？｣
｢私の目から⋯⋯。私の知ってるたっくんって、いつも楽しそうに仕事の話してるなぁって思う。お父さんは仕事から帰ってきても、疲れてイライラしてたり、あまり楽しそうには思えないけど。でもたっくんは違うかな｣
「そっか、よかった。桔梗にそれが伝わってて。そりゃあさ、俺の仕事って苦労は山ほどあるし、すげぇキツくて心が折れそうになる日もある。でもそれはどの仕事をやっててもそうだろうし。できないことの壁を越えなきゃならない場面で、自分自身がその仕事に誇りと覚悟を持ちながら、いかに楽しめるかっていうのが重要なんじゃないかって気がするんだよね｣
　｢⋯⋯うん」