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それで、意識のあるものとして当然の振る舞いとしてさ、自分の体を異物が這い回ってたらどうする? 例えば船とか。そう、振り落とそうとするよね。あと、目の前を邪魔な物が飛び回ってたら払い落とそうとするかもしれない。ここで最初の海自身が跳ねる話に戻ってくると言うことだよ。
この惑星の表面積にして7割近くを占める海は思うわけだ、ああ、体を何かが這い回ってる、目の前を訳のわからない物が飛び回ってる、邪魔だなあって。そうして海は跳ねる。マンボウが寄生虫を落とす為飛び上がるように。
もしくは、この宇宙に自分以外に海という存在はないのかしら、いるのなら見つけて貰いたい、と自分の実存について悩み始めるかもしれない。そうして海は跳ねる、イトマキエイが伴侶を探すため飛び上がるように。
はたまた、たまには移動した方が良いのかな、なんて至極単純な思いつきを実行するかもしれない。そうして海は跳ねる。干潟に住む魚が新天地を求めて飛び上がるように。
いずれにせよそうなれば僕たちの住んでいる地上なんてひとたまりも無い。僕たちはなすすべも無く馬鹿みたいに空を、いや、空いっぱいに広がった海を見あげて叫ぶ______
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