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「権さん、おるか? 万華やで」
といつものボロいドアを開けると、ニャーと声がした。
ラッキーがここにおると言うことは、依頼うけたんやな。ラッキーが足下にやって来て抱っこをせがんできたさかい、抱き上げとると、久保田が駆け寄って来よった。
「やあ、万華ちゃん。ボスは買い物。直ぐに戻るよ。その猫ね、預かり物だって。名前は万華ちゃんに聞けって言っていたけど」
「おおきにな、この猫の名前はラッキーやで」
と久保田と喋っていると、階段を上がってくる足音が聞こえて来た。
トントントン、ガチャ
「万華、来てたのか? キャットフードを買ってきた。この猫の名前は決まったのか?」
「以前から、ラッキーやで」
「そうか」
「権さん、ラッキーはキャットフード、食べへんで」
「やっぱり、そうなのか。まあ良いか。ご近所にあげよう」
そんな話を横で聞いてる久保田は、腕を組み怪訝な顔をしとる。
久保田の顔をみて、権さんの顔を見ていると、御園婆さんやラノベ研の三人の顔が浮かんだ。
ウチは何処とのう、うれしいなった。
「久保田、これから、面もろうなるな、にひひひ」
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