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「久保田、どうだ? 何か手がかりはあったか? こっちは、特に何事も無くサイン会が終わったところだ」
とこんな感じで、俺はインカムを使って久保田と連絡を取り合っていた。
「”そうですね。上坂さんのライブ動画サイトや、提供してくれた防犯カメラの画像をチェックしていますが、それらしい人物は引っかかりません。ただ …… ”」
「ただ? ただ何だ?」
「”上坂さんの動画サイト、『良いね』が、うなぎ登りですよ”」
「なんだ、気を持たせるな!」
「”あれれ、ボス、上坂さんのライブで、これから、会場周辺を歩くって言ってますよ”」
「なに、おい、ちょっと待てよ。そんなの予定にないだろう。ちっ」
「”ボス、僕に怒鳴られても”」
「ああ、悪りぃ。こっちも移動する」
ったく、今の若い奴らの考えるとは分からねぇ。
「”ボス、聞こえますか? ボス、奴がライブ映像に映りました。直ぐ後ろです”」
「確認。なんだよ。警備がいねぇじゃねぇか」
「 …… は、俺だけのものだ!」
「しまった。しくじった」
「キャー」
「人が刺された、誰か救急車をよ ……」
……
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