第1話-1 探偵、死す

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「久保田、どうだ? 何か手がかりはあったか? こっちは、特に何事も無くサイン会が終わったところだ」 とこんな感じで、俺はインカムを使って久保田と連絡を取り合っていた。 「”そうですね。上坂さんのライブ動画サイトや、提供してくれた防犯カメラの画像をチェックしていますが、それらしい人物は引っかかりません。ただ …… ”」 「ただ? ただ何だ?」 「”上坂さんの動画サイト、『良いね』が、うなぎ登りですよ”」 「なんだ、気を持たせるな!」 「”あれれ、ボス、上坂さんのライブで、これから、会場周辺を歩くって言ってますよ”」 「なに、おい、ちょっと待てよ。そんなの予定にないだろう。ちっ」 「”ボス、僕に怒鳴られても”」 「ああ、悪りぃ。こっちも移動する」  ったく、今の若い奴らの考えるとは分からねぇ。 「”ボス、聞こえますか? ボス、奴がライブ映像に映りました。直ぐ後ろです”」 「確認。なんだよ。警備がいねぇじゃねぇか」 「 …… は、俺だけのものだ!」 「しまった。しくじった」 「キャー」 「人が刺された、誰か救急車をよ ……」 ……
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