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 この手紙を読んでくれる人が現れたことを嬉しく思う。僕は元来悲観的な考えの持ち主なので、たとえ家族であろうとも遺産を巡って醜い争いが起こるに違いないと半ば確信していた。だから、僕の遺産のうち、僕にとって最も重要な、そして大切なものは、僕のことを本当に大切に思ってくれている人に渡したかった。  だから、私はこの技術を墓の中へ持っていくことにした。  僕の愛した発明、大切な子どもたちを、君ならば正しく使ってくれると信じている。   僕のお墓の前で、心から「ありがとう」と言ってくれた君へ。
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