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「どうした?」
「一緒に入ってもいい?」
「さっき入ったんじゃなかったのか」
「えぇー!?一緒に入っちゃダメなのぉ?」
「誰もそんな事は言ってない」
「じゃあ入るっ!!」
「入ってもいいとも言ってない」
「ういぃー!みっちんのイヂワルぅ」
怒ってる顔を想像するのも意外と面白い。
眼鏡を落としそうになる。眼鏡置き場においておかねば。くうに返事しながら手さぐりで探す。
「入りたければ服を脱がずに入るんだ。入らなければ服を脱げ」
「それ真逆だようぉ。ういぃっー!なら入っちゃうっ」
扉が開く。
溜まっていた靄が出ていく。視界が少しずつ晴れていく。そこにはくうが居た。身体の凹凸部分を湯気が包み込んでくれたと思いきやそれ以前の問題だった。
「お前は馬鹿か」
「いやぁー、それほどでもー」
くうは僕の言うことを聞いて素直に服を着ていた。
おしまい。©2021年 冬迷硝子。
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