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サンタクロースの帽子が落ちたのは雪の積もった森のそば。
お腹を空かせてさまよっていた子猫の目の前に何かが落ちてきた。
「なんだろう。なんだか優しいにおいがする。」
フンフンと匂いを嗅いで帽子の周りをぐるっと一回まわってから
暖かくてふわふわした帽子の中に子猫は潜り込んで眠ってしまった。
そこに帽子を落としたことに気が付いたサンタクロースがやってきた。
「おお、こんなところに落ちていた。よかったよかった。」
拾い上げて頭にかぶろうとすると、なんだか重い。
「おや、中に何か入ってるのかな。」
覗いてみると、金色のお日様のような毛色の子猫が丸くなってスースーと寝息を立てていた。
「おやおや、ほうほう。これはこれは。なんとなんと。」
サンタクロースは嬉しそうに子猫の入った帽子を上着のポケットに、そっと入れて、トナカイたちと家に戻った。
子猫は目が覚めてみると暖かな暖炉の前に帽子と一緒に置かれていた。
「おや、目が覚めたかな。メリークリスマス!」
子猫はビックリしたけど、優しそうな白いひげのおじいさんが自分を歓迎してくれるのが分かって嬉しかった。
「ミルクはどうだい?お腹が空いているんだろう?」
目の前にミルクの入ったお皿を置かれて、子猫は夢中で帽子から出て髭がミルクに浸かるのも構わずに美味しそうに飲み干した。
「メリークリスマス!なんてステキなクリスマスプレゼントだろう。神様、ありがとうございます。」
子猫はそういった。
「メリークリスマス!わたしもお前が来てくれて嬉しいよ。お前こそ神様からのプレゼントだ。神様、ありがとうございます。いままでプレゼントを配るだけだった私に、こんな素敵なプレゼントをくださって感謝します。ありがとう、神様。」
サンタクロースと子猫は一緒に神様に感謝をささげてから、クリスマスの日を過ごしました。もちろん、そのあともずっと一緒に。
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