翌日。

5/9
前へ
/77ページ
次へ
 ミツキと駄弁っていると、自習宣言したハズの担任が駆け込んでくる。かなり息切れしているので、全速力で走ってきたのだろう。 「せ、先生?どうしたんですか?」 「そうだよなぁ…いくら俺が舐められてるからと言って、お前らも俺には敬語使ってくれる…使うのが普通だよなぁぁ…」  職員室で何があったんだろうか。いつも以上に不安定だ。 「あのな、聞いてくれよお前たち、…」  あまりにも長いため分かりやすくしてみると、  黒い物体が職員室の入口をウロウロしている      ↓  気になって話を聞いてみればタメ語で返される      ↓  挙句の果てには下の名前で呼ぶことを強要し、イキナリの友達宣言      ↓  探していた先生を紹介しても話しかけてくる      ↓  全速力で逃げてきた←今ここ!  という感じらしい。担任も梓馬と関わってしまったようだ。 「お前ら、アレには気をつけろよ…」 「アレとは…?」 「黒い…毬藻…!」  先生につられ、怖い単語でもないのに、息を呑むクラスの皆。     «黒い毬藻»  近い内にこの言葉が学園中に広がることを想定できたものは少なかった。 ーーー  昼休みになり生徒会室へと向かえば、部屋に入るなり転校生のことを聞かれる。 「ヨイとアケは同じクラスではないんですか?彼も1-Sでしたよね?」 「「僕たち教室に行ってないから知らない!」」  あぁ、そういえば役員共は俺と違って教室に行かないんだった。いや、会長はたまに行ってるんだっけ。 「で、どうだったんだ?転校生は」 「どうだったと言われましても…そうですね、興味深い方とでも言っておきましょうか」 「へ〜!しーちゃんが興味を示すなんて珍し〜!」 「「僕たちその転校生に会いにいきたい!」」 「今は昼休みですので、食堂にでもいるんじゃないですか?」 「じゃあ、行くかお前ら」  やった〜と庶務と会計はすぐに動きだす。眠そうな書記も引きずられて行く。 「お前、本当に興味を持ったのか?」  あんな見た目のやつに?という顔で会長が聞いてくる。あぁそうか、理事長から書類もらってたのか。 「別に個人の自由でしょう?アナタには関係ないですよ」 「まぁそうだな、」  シオンが先に歩きだせば、少しして会長も歩きだす。  さ、この会長サマはあの転校生にどんな対応をするのだろうか。会計と庶務は気に入るだろう。書記はうるさいのが嫌いだから、遠ざけるかな…  気に入ったとしても、仕事だけはして欲しい。まぁテンプレ通りいけば、しないんだろうが…
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

202人が本棚に入れています
本棚に追加