付和雷同

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「そうですね。ごめん、やばいこと言いちゃって。」初めて同級生と話した。「べつに。」 「そういえば、なんで私の苗字知ってるの?」そうね。彼女にとってちょっと変かも。 「僕は人が声だけで分けるから。クラスの人の苗字ぐらい覚えたかったからさ。」 「へえ~。すごいよ。実は、嬉しい。クラスの人は私のことあまり知らない。苗字もいつも間違える。」突然彼女の声が悲しくなった。確かに、クラスの人から小山さんの苗字あまり聞こえない。僕みたいにクラスの部外者かな。 「そうですか。だからここに泣いたか。」 「違う!私は寂しいが、そういうことから泣いたら、涙のむだと思う。漫画のせいで泣いた。」それは面白い考え方だ。 「漫画?」急に声が変化した。もっと嬉しくになった。 「うん。漫画が好きで、たまに話は悲しいから、泣いて。」 漫画のせいで泣いたの? 「変でしょう。でも漫画を読むの時自分の世界に入る。そしてその世界の人が悲しいことがあれば、私も悲しくなる。」自分の世界?なんか知りたいと思った。小山さんと共通点だから。 「変じゃない。僕も自分の世界がある。でも、黒しかない。小山さん、漫画について教えてくれ。」まず彼女は何も言わなかったが、後で笑った。 「ぜひ。私の世界に入ってください。」ベルの音は僕たちを遮った。 「あ、もう。じゃ、戻りましょう。放課後はどう。中川さんは暇?」
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